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「高村総二郎と現代アート展」(2021年11月24日〜30日 ※最終日は17時閉場)が大丸京都で開催中なので、初日に行ってきた。
日本画で日本発祥のカップヌードルをポップに描く作品展示が今回のメインだが、しばらくご無沙汰している間に様々な技法を取り入れてポップアートがさらに進化を遂げていた!「クラックシリーズ」と勝手に題して紹介したい。(以下、画像提供:高村総二郎氏) ロングセラー「カップヌードル カレー味」の背景はまさかのキリン柄!? えっ、合ってるの色だけやないか〜い!ってツッコミどころ満載の絵だが、意外な組み合わせが妙にツボに入ってお気に入りである。 キリンの柄に細かなクラック(ヒビ)が入っているのが分かるだろうか。 変わり種「チリトマト」、爽やかなミントグリーンの背景にもクラックが入っている。下地に金属粉を塗った後、上からひび割れメディウム入りの絵の具を塗っている。ひび割れが剥離しないよう塗り加減には細心の注意を払っている。アクリル絵の具と日本画の絵具が一つの画面の中に共存しているのが視覚的にも面白い。 百貨店に来るマダムをイメージして描いたそうだが、そういえば最近オーストリッチのバッグや財布を持っているご婦人を見かけないなぁ。懐かしさも感じる柄でまさに百貨店の展示に相応しく感じた。 オーストリッチは他のカラーも描いて欲しいし、ヘビやワニなど革シリーズも見てみたい。 西洋はギリシャ・ローマの石膏像の上に、日本の浮世絵をプロジェクターで投影して描く「纏」シリーズも新境地を開いていた。 石膏像の顔のアップに『北斎漫画』の鼉竜(だりゅう:ワニに似た竜)をタトゥーのように投影させて描いている。右にブルーのクラックが稲妻のように入っている。画面では伝わらないが青い金属粉が照明を当てるとチカチカと微細な光を放って実に魅惑的なのだ。 石膏像のアルカイックスマイルを浮かべたような横顔とエキゾチックな髪型にまず魅せられる。小原古邨の 纏シリーズのクラックもまず下地に金属粉で彩色、上から胡粉を塗り、像を書いた後、パネルから絵を剥がしてひび割れを起こしている。ひびからのぞく金属粉を綿棒で磨いて胡粉の粉を落としてフィニッシュ。金継ぎをイメージしているそうだが、この作品も赤みを帯びたクラックが照明でチカチカ輝いて見入ってしまう。 完璧に仕上げた絵にひびを入れることで、かえって欠陥が美を際立たせ絵を面白くしている。完全はツマラナイということだろうか。 不規則で不完全な美しさを追求する日本独自の伝統的な美学「侘び寂び」に通じる美意識が見てとれる作品になっている。 高村総二郎は伝統を踏襲しつつも、常にチャレンジし続けて新しい景色を見せてくれる。日本画の可能性は無限大だと改めて感じ入った展示だった。 しかしどの作品も手描きで1点物だし、こんなに手間を掛けている割には販売価格が総じて安過ぎる気がするのだが……(汗)。日本国内で勝負する時期はとうに過ぎているのでは? 欧米市場に打って出る布石を誰か整えてあげて〜。 #
by azzurrotree
| 2021-11-26 20:49
| Japanese Art/日本美術
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