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忙しさにかまけてブログが疎かに。気がつけば2012年もすっかり年の瀬。
12月は備忘録と化してますが、気長にお付き合いください。 LA出身の陶芸作家で彫刻家Ken Price(1935-2012)の回顧展 "Ken Price Sculpture: A Retrospective"がロサンゼルス・カウンティ美術館 (LACMA)で開催中だ(〜2013年1月6日まで、以後巡回展)。 オープニングの案内が来たが、Ken Priceについて全く知識が無かったので試しに ネット検索してみると「男性の生殖器を連想させる形で……」という説明が目についた。 何だかdildoみたいだなと、さして食指も動かなかったが。 オープニングに行った友人のコレクター夫妻が激賞していたので、冷やかし半分で 行ってみることに。 全く期待していなかったが、会場入り口から良い意味で予想を大きく裏切られた。 まず鮮やかな色と角がない丸みを帯びたフォルムが目に飛び込んでくる。 作品に近寄ると色彩の豊かさや深みに魅せられてしまう。 窯に入る大きさが前提なのか、作品のサイズが大き過ぎるということはない。 ボッテリと肉感的でエロティックと評されるのも決して間違いではないが、 見れば見る程にコミカルで、大きさもちょうど良く、親しみが持てる造形だ。 見る角度によって色合いも形状も変化し、決して見飽きることが無い。しまいには 何か愛らしい有機物に見えてくるから不思議だ。 立体作品117点、絵画11点で構成される今回の回顧展の特徴は、展示の順番が晩年から 初期作品へと時代が遡ることだ。Ken Price晩年の円熟期、2000-2011年に制作された 作品群から展示が始まるので、スタートから造形の面白さと色彩の楽しさが全開だ。 Priceが陶芸彫刻家として様々なアイデア、素材や手法を試行錯誤する中で、晩年の 完成された世界観に到達するプロセスが明確に把握できる。作品への理解が深まるのは もちろんだが、鑑賞者と作品の親密度が増すのがこの展覧会の魅力かと思う。 展示空間デザインは長年に渡る友人で建築家のFrank Gehryが手がけた。 LAではDisney Hall (Walt Disney Concert Hall)の設計で有名だ。 脱構築主義の旗手として知られ、チタニウムのシルバーの板が曲線を描く有機的な建築は 平らな面が一切存在しない現代モダン建築の最高峰。彫刻と建築で分野こそ違えど、 Ken PriceとFrank Gehryはアーティストとしてお互いに影響を与え合う存在だった。 展示中盤は1959-2000年に制作された作品群で、建築にインスパイアされた幾何学的な 彫刻、岩、卵、カップ、絵画に至るまで様々な造形を模索している。 展示終盤は1970年代にメキシコの民芸品に想を得たカップや皿、器などの陶器を展示。 商業目的で制作した、いかにもメキシカンな民芸品。好きな人は好きだろうが鈍臭い感じは 否めず商業的にも失敗。 そして展示の最後を締めくくるのは、1990年代後半に獲得した技法を駆使した 最晩年の作品が再登場。 日本の陶芸にも影響を受けているが、釉薬の使用は1980年代に止めている。 晩年のスタイルは粘土を成型して焼きを繰り返し、釉薬ではなく様々な色のアクリル塗料を 重ね塗り。多い時には70層にも塗り重ねる。サンドペーパーやアルコール溶剤で慎重かつ 丹念に研磨すると、塗り重ねた色の層が出てきて、複雑な色合いの斑模様になる。 Blobs(フニャフニャした物体)とも呼ばれる丸くボッテリした形状に行き着いた Price自身も、柔軟に作品のスタイルを変え日々進化し続けた。 晩年は癌との長い闘いの中、アシスタントの息子の手を借り制作を続けてきた。 1960年に今は伝説となったFerus Gallery (Ed RuschaやWallace Bermanの個展を 開き、60年代のLAアートシーンを牽引したアートギャラリー)で初個展。その後は グループ展や商業的なギャラリーでの展示はあったものの、大規模な個展は今回が 初めて。この展覧会も企画当時から積極的に関わって来たが、オープニング半年前の 今年2月に惜しまれつつ永眠。初の大規模個展を本人が目にすることはなかった。 会場にはPriceの語録がいくつか展示されていた。 「工芸職人は作るものがはっきりしているが、アーティストは何を作るか、あるいは どんな形に出来上がるか最後まで分からない」"A craftsman knows what he's going to make and an artist doesn't know what he's going to make or what the finished product is going to look like." 陶芸という枠を超え、彫刻や建築の造形美を取り込み芸術にまで高めたKen Priceの 多彩な作品は長きに渡り語り継がれるだろう。 (会場の写真撮影がNGだった為、画像は展覧会カタログから拝借)
by azzurrotree
| 2012-12-14 04:17
| Sculpture/彫刻
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Comments(2)
Commented
by
Jonessabocoliis
at 2013-04-17 12:15
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Some really great posts on this internet site , thanks for contribution.
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Commented
by
azzurrotree at 2013-04-17 13:13
Thank you for your comment! I hope I'll try to translate some of my blog entries into English soon.
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