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2018年6月9日に銀座にあるgggギャラリー (ginza graphic gallery) 3Fで言葉のカタチ「詩の朗読 — ニュアンスの会」と題して、ケネス・レクスロスと北園克衛の詩の朗読会が開催された。
この日米の偉大な詩人ふたりの命日 (6月6日) にちなみ、また2017年に思潮社から上梓された『レクスロス詩集』(ジョン・ソルト、田口哲也、青木映子 訳編) の出版記念を兼ねて盛大に行われた詩の朗読会は、詩の世界を存分に堪能できる、まさに夢のようなひと時であった。 総勢20人余りが朗読に参加、西松布咏による三味線と唄のパフォーマンスが詩の朗読と華麗に競演し、より多様で広がりのある詩(言葉)のあり方をオーディエンスに届けることができた、と信じたい。 前半は田口哲也先生の司会でレクスロスの部がスタートし、後半は筆者の司会で北園の部が進行。朗読者はステージに上がったら自己紹介など一切せずに詩を朗々と読み上げて、終わったら自分の席に戻る、というタイトなスタイルだったが、前後半45分ずつのプログラムは途中だらけることもなく、ほど良い緊張感を保ったまま進んだのが良かった。 純粋にレクスロスと北園の詩のためのオマージュとして朗読会が機能していて、音として発せられた詩を楽しむことができた。「詩は言霊だな」とつくづく思った瞬間であった。 レクスロスの部は、西松布咏さんがエロティックな「摩利支子の愛の歌」の一節を唄う三味線パフォーマンスで幕を開ける。 続いて原成吉先生とJeffrey Johnsonさんがレクスロスの「輪廻転生」(Time Spirals) をそれぞれ日本語と英語で朗読。この詩は『レクスロス詩集』には収録されていないが、原先生の翻訳が素晴らしく、今回朗読をお願いした。 今回はレクスロスの部の司会に徹した田口哲也先生。 Janine Beichmanさんと山本毅雄さんご夫婦が英語と日本語で「プライバシー」(Privacy)を朗読。 奥成繁さんがレクスロスになりきって、1971年のほんやら洞のトークを再現。聴衆も大ウケだったが、写真を撮る側も話に引き込まれてしまい、奥成さんの勇姿を撮り忘れる大失態。もし誰か他に写真を撮っていた方がいたら連絡下さい。 ヤリタミサコさんとTaylor Mignonさんがそれぞれ日本語と英語で詠む「ダイラン・トオマスを悼む」。レクスロスが詩の一部を友情の印として北園に送付、北園は日本語に翻訳してVOU38号に掲載した。ヤリタさんとTaylorさんのパワフルな朗読に圧倒される。 「古き悪しき時代」を朗読する思潮社・総編集長の高木真史さん。 レクスロスが新聞のコラムニストとしてSan Francisco Examiner紙に寄稿した1960年のコラム「歌舞伎座」から短い抜粋を読む筆者 (自分が翻訳した文章を朗読するのは変な気分である)。 『レクスロス詩集』翻訳主幹の片桐ユズル先生が朗読するのは「生きている真珠」。このイベントの為に京都からお越しいただいた。 再び「摩利支子の愛の歌」を日本語と英語で詠む浦歌無子さんとYuri Kageyamaさん、そして三味線の演奏に乗せて詩を唄う西松布咏さん。 続けて「摩利支子の愛の歌」を日本語と英語で詠む四釜裕子さんとJoan Andersonさん。 北園の部は、詩の概念を破壊した1929年の処女詩集『白のアルバム』から「記号説」の朗読でスタート。高木真史さん、東京TDC事務局長の照沼太佳子さん、山本毅雄さんの3人で朗読。 北園の部の司会を務める筆者。 急遽、詩集『若いコロニー』から詩を2篇詠むことになった筆者。 『円錐詩集』から4篇を朗読する四釜裕子さん。 次は工芸製本家の大家利夫さんとJoan Andersonさん、Taylor Mignonさんとで詩集『鯤』をそれぞれ日本語と英語で朗読。後方スクリーンの映像は、大家さんが手がけた端正で美しさ際立つ北園関連の装丁本を紹介している。 詩集『夏の手紙』の朗読で斬新なコラボレーションを披露するヤリタミサコさんと浦歌無子さん。 詩集『砂の鶯』から「街」を朗読する片桐先生。 詩集『真昼のレモン』から2篇を原先生とYuri Kageyamaさんがそれぞれ日本語と英語で朗読。 世田谷美術館のキュレーター野田尚稔先生は「消えていくpoesie」とVOU157号から北園の文章を朗読。 助詞の「の」が行頭にくる型破りな詩「単調な空間」を朗読する四釜裕子さんとJeffrey Johnsonさん。難しい詩に果敢にチャレンジしてくれた。 最後は西松布咏さんの演奏 & DVD「儚」から舞踏家の大野慶人パフォーマンス映像に合わせて、「黒い肖像」をJohn Soltさんが、「BLUE」をJanine Beichmanさんが朗読。 「BLUE」の三味線の演奏がとても斬新な響きで、時にバッハのバイオリンの旋律を思わせる節があったり、鋭い音を弾いたかと思えば、増幅させたような音色を響かせたり、唄もグラデーションのように揺らぐ転調に鳥肌が立った。三味線という伝統楽器の新たな可能性を提示し、常に新しい音を模索して進化し続ける西松布咏さんに朗読会の最後を飾っていただき光栄至極であった。 朗読者それぞれが個性的な朗読を披露してくれ、英語と日本語という2つの言語で詩を味わえたのも素晴らしい体験になった。 プログラムの詳細は四釜裕子さんのブログ「bookbar5」で掲載していただいているので、そちらを参照のこと。 参考図書: 『レクスロス詩集』ジョン・ソルト、田口哲也、青木映子(訳編)2017年 思潮社 『北園克衛の詩と詩学:意味のタペストリーを細断する』ジョン・ソルト(著)、田口哲也(翻訳) 2010年 思潮社 『北園克衛詩集』1981年 思潮社 参考図書だけ見ると「思潮社ブックフェア」状態である。
by azzurrotree
| 2018-06-16 05:22
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