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ロサンゼルスのRose Galleryで澤田知子の新作展 "Tomoko Sawada: Sign" を観てきたので紹介したい。
![]() ![]() 澤田知子の代表作といえば「ID400」や「Omiai」に代表されるセルフポートレイトの手法を用いた写真作品だろう。「ID400」は写真家自ら衣装やメークを変え、自動証明写真機で撮った400人分の証明写真シリーズ、「Omiai」は日本独自の慣習である「お見合い」写真をテーマに写真家が様々な女性30人に「扮装」する。ロサンゼルスでは特に「Omiai」の方が物珍しさ(或いは「お見合いってコスプレみたいでイイね!」という誤解)も手伝って大人気である。思えばお見合いも証明写真も不思議な慣習ではないだろうか。就職や仕事のキャリア、さらには結婚まで、たった一枚の写真が人生を決定づけるのだから。お見合いも証明写真も自分を良く見せる「よそゆき」の自分で、平たく言えば「変装」と同義である。これらの代表作について、一般的には「女性であること、文化・習慣、国籍・日本人であることへの問いかけ、アイデンティティー(自己)の追求」などと評価されている。しかし外見が変わると内面も案外変われるのではないだろうか。個人的には自己の追求よりも、自己の不確かさや曖昧さが作品から透けて見えるところに魅力を感じる。しかしこれまでは被写体が常に写真家自身だったので、今後、澤田の作品はどこに行くのか、また自分自身がテーマだった代表作の呪縛から抜け出せるのか、気になっていた。 ![]() ![]() なので今回の作品「Sign」は、作家としての方向性の転機として重要な作品になったと思う。澤田は2008年から文化庁在外研修員としてニューヨークに留学、「Sign」(2012) はアンディ・ウォーホル美術館主催のレジデンスプロジェクトとして、米老舗企業ハインツ社とコラボレーションして制作された。ハインツ社を代表する商品であるトマトケチャップとマスタードに注目した澤田は、ボトルのラベルに使用する「トマトケチャップ」と「マスタード」の文字の翻訳をFacebookを通じて世界中に呼びかけ、56カ国語を収集。各国語のラベルが貼られたボトルを撮影した。大量生産・消費社会を主題にしたポップアートを展開したAndy Warholへのオマージュにもなっている。 どの言語のラベルを貼られても中身は変わらないが、外国に行った時などに言語の分からないラベルが貼られたボトルを手にして「たぶんケチャップだと思うけど、どうかな?」という不確かさを覚えることもありそうだ。「外面と内面」を問いかけ続けてきた、これまでの作品とコンセプトは変わっていない。 ![]() こちらは「Skin」(2012)より。こちらも靴下メーカーtabioとのコラボレーション作品。薄手ストッキングなら、オフィスで働く女性の第2の制服ともいえるが(炎天下のオフィス街で地味なスーツに肌色ストッキングと黒いパンプス姿の女性を見かけると、そのお決まりのトータルファッションが戦闘服に見えてくる)。靴下メーカーの女性社員に履いてもらって撮影したのは、オシャレなデザインタイツなので、今時の働く女性の自由な自己表現ということなのだろうか。それにしてもこのデザインのタイツや赤いヒール靴で出勤が許される業種はかなり限られるのでは。 ![]() 「Sign」「Skin」に共通するのは、これまでのセルフポートレイトの自己表現から一歩抜け出し、企業とコラボレーションする形で商品にスポットを当てたことだ。企業にとっての商品のブランド化やブランド力の構築は、これまでのお見合いや証明写真に見られた「自分をブランド化する」セルフブランディングと根本は一緒である。澤田らしい表現を損なうことなく、自分以外の新たな被写体を見つけて創作の可能性を広げられた。今後の作品がますます楽しみである。 ![]() ![]() オープニングのフード。ケチャップ&マスタードといえばホットドッグでしょ。 ![]()
by azzurrotree
| 2013-11-17 03:57
| Photography/写真
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