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ロサンゼルスのLACMA美術館で、Alexander Calder (アレクサンダー・カルダー) の回顧展 "Calder and Abstraction: From Avant-Garde to Iconic" が開催中(7月27日まで)。
この時期LAに行く用事は無いので、観に行けなくて残念に思っていたが、展示風景を撮った写真のスライドショーを発見! (※iPhoneからだと上手く表示されないカモ) 展示の雰囲気だけでも味わえるのが、せめてもの慰めである。 Alexander Calder (1898-1976) はモビールの生みの親として知られているアメリカの現代美術作家 (個人的にはデンマークの伝統工芸だと思っていたが、詳細はWikipediaのアレクサンダー・カルダー参照)。現代美術作品としてのモビールを発明・制作し「動く芸術」や「動く彫刻」と呼ばれた前衛的な作品はそれまでの彫刻の概念を大きく変えた。 本展も「動く抽象彫刻」の創始者に敬意を表したタイトルになっている。 Calder作品の特徴は、赤・黄・青の三原色からなるモンドリアンの抽象画に影響を受けているところと、幾何学的図形を多用しバウハウスの美意識を継承している点だろう。 ミロ (Joan Miro) の絵や北園克衛のグラフィックデザインが3Dになって動き出したような楽しさがある。 Calderの経歴を短く紹介すると、ペンシルバニア生まれで父も祖父も彫刻家、母は画家という芸術家一家。しかし芸術で生計を立てる苦労を知っている父親は、手に職をつけることを息子に勧め、Calderは大学で機械工学を専攻する。卒業後は自動車技師、製図師、治水や木材技師の職を転々とするも、やはり芸術の道を諦め切れずに、美術学校に入り直す。 卒業後は渡仏し芸術の勉強を続けるが、生計を立てるために機械工学を学んだ経験を生かし、針金や木を用いて機械仕掛けの玩具や人形を作ってサーカスの一人上演をし、入場料を稼いでいた。 この機械仕掛けのサーカスにジョン・コクトー (Jean Cocteau) が夢中になり、やがてパリの芸術界で知らぬ者はいないほどの有名人になる。 Calderの動く彫刻を「モビール」と命名したのは、マルセル・デュシャン (Marcel Duchamp) であった。 Calderは最初、糸で吊るモビールの他に、モーターや滑車を用いた機械式モビールを制作していたが、風や空気の流れと言った外的要因で予測不可能な動きをするモビールの制作も始める。 床置き式のスタンディング・モビールや、動かない抽象的な彫刻「スタビル」(stabile)、大型インスタレーションも発表している。 「色数を厳しく制限し、バランスを工学的に計算し尽くした」と書くと、ストイックに聞こえるが、従来の彫刻のどっしりと重いイメージを覆したモビール作品には遊び心と浮遊感がある。 地面の呪縛から解き放たれた軽さが、新しいアートが生まれつつあった戦前のパリの空気を象徴している。 展示のインスタレーションと空間デザインは、建築家フランク・ゲーリー (Frank O. Gehry) が手がけている (過去には同じLACMAでKen Price展の空間デザインも手がけている)。 上にリンクを貼った展示風景のスライドショーは、照明の当て方なのか、写真の撮り方なのか、あまり写真に影が写っていないので、作品の造形が際立つ。しかし壁や床に落ちる影や、モビールが風で揺れるのを見るのも展示の楽しみ方であろう。 やはり床に短く長く伸びる影の造形美も含めたCalderのモビール作品を、実際にこの目で見てみたかった(涙)。
by azzurrotree
| 2014-06-14 00:50
| Sculpture/彫刻
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