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前回に引き続き、春画のワンダーランドを紹介したい。
春画に出てくる人々は身分を問わず、明るく楽しく性生活を謳歌していたようだ。今と違いテレビもインターネットもない時代、春画は笑い絵とも呼ばれ、歌舞伎、芝居、祭りと並ぶ数少ない娯楽だった。 日常の房事に笑いを見い出す活力にも大いに感心するが、江戸時代の豊かな想像力は、時に異次元のファンタジーに突入する。 葛飾北斎による艶本の中でも有名な木版画の一枚「蛸と海女」。女が2匹の蛸と交わるなんて、今見てもなんとも斬新である。 そして、夏といえば幽霊も出る。 残した亭主と性の快楽に未練があるのは分かるが、奥さん、その死装束で出てくるのは勘弁して欲しい。 性交中のふたりを覗き見る第三者、という構図が多いのも春画の特徴。 型破りな「覗き」の進化系として登場するのは豆人(まめびと)である。 「豆人」と呼ばれる小人が、様々な情交の様子を見て廻る物語。男女がお励み中のところに、豆人が当たり前のようにシレっと登場し、ご丁寧に実況中継するのがかなり可笑しい。 ついには性器も擬人化されて登場。 中央の宝台の上で寝そべるのは手足が生えた男性器。後ろで嘆き悲しむ女性の顔は女陰、周囲に配したウナギ、ドジョウ、卵、タケノコ、ゴボウなどは精力増強に役立つとされる食物。若冲の「野菜涅槃図」のさらに斜め上を行く、ゆるキャラ爆誕か? そして顔が性器になってしまったカップルも仲良く登場。 夫婦だろうか、仲睦まじい様子。性器の擬人化は奇想天外、パロディにも程がある。何でもキャラクターに仕立て上げる日本のキャラクター文化のルーツの一端は、春画にある? ついでに、歌舞伎役者の「持ち物」で性格診断までしてしまう。 七代目市川團十郎など当代の人気歌舞伎役者8人の似顔絵の下に、それぞれの役者に相応しい男性器を配して性格診断。男性器に浮き出た血管が隈取だったり、陰毛も前髪や鬢のように特徴があるところが笑える。 そして、夜のお道具を描いた歴史的にも貴重な資料がこちら。 張形(dildo)など様々なセックス用小道具。今でいう訪問販売として、亭主が留守中の昼間に小道具屋が家々を訪ねて、奥様方に大人のおもちゃを売り歩いていた。 最後に番外編。 春画には夫婦の行為中に子供が普通に登場する。 「子供の眼の前で性行為を見せつけるなんて」と西洋圏では幼児虐待と受け取られかねない。外国人、特に子供がいる親は眼を剥いて怒りそう。 しかし日本では夫婦の間に子供が入って川の字に寝たり、子供に添い寝をする文化が昔からある。 現代ではセックスレス夫婦を生み出す原因とも言われているが、江戸時代は性におおらかだったので、同じ川の字で寝ていても突発的に夜の営みが始まってしまうこともあったろう。 春画に描かれる性の営みから、生も死も、あの世もこの世も異次元も、地続きで生活の一部だったことが分かる。
by azzurrotree
| 2016-04-03 21:59
| Japanese Art/日本美術
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