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京都にあるギャラリーマロニエで開催中の高村総二郎 x 山本雄教「四畳半クロッシング」に行ってきた。
高村総二郎氏のプロフィールが三島由紀夫から藤田嗣治にモデルチェンジしていたので、Foujitaのコスプレを楽しみに行ったが、在廊中の高村氏はアスレジャー風のクールなスタイルで出迎えてくれた。でもそこはさすが高村先生、写真撮影のためにわざわざ着替えて再登場してくれた。 チョビ髭は土日用でまだトリミングをしていないので、とマスク姿で応じてくれた。さすが日本画家の完璧主義は徹底している。 四畳半の畳の絵が圧倒的な存在感でギャラリースペース中央に鎮座している。実物大ゆえに本当にただの畳にしか見えない。 白地に黒の模様が入った縁が全体を引き締め清々しい印象を与えている。 畳の目をひとつひとつ描いていくのは気が遠くなるような作業だろう。地味な作業を黙々とこなす画家の労苦に想いを馳せる。やはり銀閣寺の畳を描いているからだろうか、作品を前にすると自然と背筋が伸びる。 壁を飾るカップヌードルの絵と畳がシュールに映える。 あいにく山本雄教氏は在廊していなかったが、高村氏のカップヌードルと山本氏の1円玉をモチーフにしたコラボレーション作品が見事だった。 山本氏は1円玉を並べて描き、琳派を思わせる波のデザインに仕立てている。カップヌードルのフタを見て、原材料名が読めることに度肝を抜かれる。全部手描きだというから高村氏の描写力が高過ぎて驚愕である。 山本雄教氏の作品は今回初めて鑑賞したが、なかなか面白かったので紹介したい。 フロッタージュの手法を用いていて少々驚いた。ちょうど昨年ロサンゼルスのHammer MuseumでFrottages and Rubbings(フロッタージュと拓摺り)がテーマのニッチな展覧会を観たので、この伝統的ともいえる手法の新たな可能性に、まさか京都で再会できるとは思っても見なかった。 1円玉がぼんやりと紙の上に浮かび上がって、カップヌードルの像を結ぶのを見て、小学校の授業で10円玉の上に紙を乗せて鉛筆でこすって模様を写し取ったのを思い出し、妙に懐かしい気分になる。 フロッタージュは日本画の手法ではないが、様々な手法や画材を試す若い作家の柔軟さが頼もしい。 遠目から見てぼんやりした抽象作品かと思い、帰り際まで近づかなかったが、実はゆるいユーモアが炸裂していた作品はこちら。 “Golden Potato”のタイトルを見て思わず吹き出した。銅箔の色味に見えるが、金箔だったら高級感あふれるフレンチフライである。見れば見るほどバカバカしさがじわじわ来る。 同様に”White Rice”も紹介したかったが、どうカメラを向けても白いキャンバスにしか撮れず、フォトジェニックとは言い難い作品なので、実際にギャラリーに足を運んで確かめてみて欲しい。 一円玉や米粒のミクロをマクロの世界観に広げる山本氏と、畳の目をひとつひとつ描き込んだ四畳半の小さな空間を「無限の宇宙につながる装置」と位置付ける高村氏に共通点を見い出せる。 コラボレーションやお互いの作品へのオマージュで互いの健闘を称えつつも、それぞれの個性がしっかり出ていて好感の持てる展示。 会期が短く11月6日(日)までなので、ぜひ足を運んで見て欲しい。土日は両作家とも在廊していると思うので、貴重な制作裏話が聞けるかも。
by azzurrotree
| 2016-11-03 04:30
| Japanese Art/日本美術
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Comments(5)
見に来てくださりありがとうございました。二人とも日本画を逸脱してしまいました。これからもご支援宜しくお願いします。
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azzurrotree at 2016-11-03 17:08
こちらこそ、高村先生には初日からご丁寧なご対応をいただきました。ありがとうございました。今後も日本画を大いに逸脱してください。コラボレーションという趣向も楽しくて良いですね。
Commented
by
ジョン•ソルト(John Solt)
at 2016-11-05 03:01
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高村総二郎氏の作品は傑作が多くて、画力の素晴らしさはもちろんですが、他の日本画家と違って、その裏のコンセプトも抜群。日本画から「逸脱」に見えるかもしれませんが、実は日本画の未来を見させていただいていると思います。高村さんは確かに村上隆より作品が洗練されています。いつか西洋での歓迎を楽しみにしています。その前に西洋美術の世界が大いに変わる必要があるかもしれません。
azzurrotreeさま
見に来ていただきありがとうございます。こうやっていつもブログにアップしていただいて感謝しております。お土産もかなり美味しかったです。いつも楽しいので長く話してしまい申し訳ありません。
Dear Dr.Solt
この度は誠にありがとうございます。先生には本当に感謝しております。つたない作品にもったいないお言葉をありがとうございます。また先生にはぜひお会いしたいと思っております。会える日を楽しみにしております。
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