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年末に今年を振り返る意味で、2016年に観た展覧会からBest 10を選出してみた。東京には住んでいないので、展覧会の開催地は主にロサンゼルスと関西方面になる。
No. 1 『恩地孝四郎展 叙情とモダン』(Onchi Koshiro: Lyric and Modern) @和歌山県立美術館 恩地孝四郎展(Part2)お気に入りをPick Up! 本ブログで2回にわたり紹介した恩地孝四郎展。 版画・装丁・絵画・写真、展示数400点のどれをとっても一流。 恩地孝四郎の領域横断的な仕事ぶりを堪能できた満足感が大きかった。 恩地孝四郎の大規模展覧会は20年ぶり。これを逃したら次に観られる機会はないかも知れない。そんな気持ちで展覧会最終日に和歌山県まで日帰り弾丸ツアーを敢行できた達成感も大きい。お声を掛けていただいた先生に心より感謝。 No. 2 『春画展―Shunga―』@細見美術館 ファンタジーな春画の世界 (Part 2) 鈴木春信の春画ワールド (Part 3) すったもんだの末ようやく開催に漕ぎつけた春画展。蓋を開けてみれば話題沸騰、空前のブームとなった。本ブログでは3回にわたり紹介したが、春画はまさにワンダーワールド。性におおらかで自由な江戸時代の人々の倫理観にまず先に欧米が驚き、今年は逆輸入の形で日本が驚くこととなった。日本でもついに春画が解禁となったことで、今後さらなる研究が進むことが期待される。 No. 3 “Frank Gehry”@LACMA Frank Gehry (Part 2): ディズニー・コンサートホール Frank Gehryのワンルーム (Part 3) Frank Gehry迷作選 (Part 4) ロサンゼルスを代表する世界的建築家Frank Gehryの功績を称えた大規模展覧会。Gehryの50年以上にわたるキャリアを網羅した展覧会はスケールが大きいせいもあって、本ブログでは4回に渡り傑作、名(迷?)作を紹介。御年86歳にして精力的にコンサートホールや美術館、複合施設のプロジェクトを複数掛け持ちする巨匠のスタミナに脱帽。 No. 4 “Robert Mapplethorpe: The Perfect Medium”@Getty Museum & LACMA Robert Mapplethorpe (Part 2) メイプルソープが写真というメディアを芸術に押し上げた功績は大きい。1980〜90年代、メイプルソープの作品は露骨な性描写がアメリカ国内でも議論になったが、それも過去の話になったようだ。時が経ち2016年にロサンゼルスの2つの主要美術館で同時開催されたメイプルソープの大規模展覧会は、多様なセクシャリティや性的趣向に寛容な成熟した鑑賞者に受け入れられていたのが印象的だった。本ブログで2回に渡り紹介したメイプルソープ展、日本では無難な花の写真しか展示されないので、ロサンゼルスで彼の作品に向き合えたのは貴重な体験だった。しかし、来年からトランプ政権の舵取りで、この多様な人種や宗教、セクシャリティに寛容だった人々が雲散霧消してしまわないか心配である。 No. 5 “Reigning Men: Fashion in Menswear” @ LACMA ありそうでなかった紳士服が主役のファッション展は、予想以上に胸踊る展示だった。斬新な表現を試みる現代のファッションデザイナーたちはまさに反逆児だった。伝統に立ち返り、古き良き時代のファッションを回顧しつつも、お決まりのスーツに反旗を翻し、既成概念を壊し、性差をも超える。展示のパネル説明を読むのがこんなにも楽しい展覧会もなかなかない。服のデザインや素材、柄や織り、染めの技術や工程からデザイナーの思想を解読するのは、わくわくする経験だった。図録を買わなかったのが悔やまれる。 No. 6 『森村泰昌:自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき』@ 国立国際美術館 森村泰昌 (Part 2) 名画の登場人物や映画女優、歴史上の有名人に扮するセルフポートレイトで有名な森村泰昌の大規模個展。本ブログでは2回に渡り紹介。 名画や画家に対する自身の解釈を元に、新たな光を当てた絵画や画家像をセルフポートレイトいう形で作品に落とし込むわけだが、制作過程に時間が掛かっているのはもちろんのこと、解釈を突き詰める作業にも時間を掛けているのだろう。どの作品もユーモアの表層の裏に深い思想が見て取れる。田中敦子の電気服も奇抜さにぶったまげるが、それを大真面目に再現してみせる森村もやっぱり可笑しい。 No. 7 “Cindy Sherman: Imitation of Life” @ The Broad 森村泰昌の「お姉さん」あるいは「先輩」的存在なのがシンディ・シャーマン。彼女も自身を被写体として映画、広告、名画に出てくる人物に扮するセルフポートレイトの手法を採用しているのは一緒だが、主に同性である女性にフォーカスし、女性のエゴや虚栄心をあぶり出すような作品は、森村と違いシビアな視点を感じる。女性として生きる自分自身への皮肉や諧謔も込められているのだろう。ロサンゼルスの不動産王でアートコレクターのEli Broadが昨年DowntownにオープンしたThe Broad美術館での初の企画展となったCindy Sherman展。Eli Broadが長年に渡り収集してきたシンディ・シャーマンの作品で彼女のキャリアを総括する展覧会は見ごたえがあった。 No. 8 The Best Site-Specific Art This Summer 展覧会ではないのだが、強烈なインパクトで思わず車を止めた野外展示を推したい。 今年6月、フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件に憤りを覚え、素早くアクションを起こした機動力はまさにゲリラ・アート。自宅の屋根を即席の展示場に見立て、自らの内から湧き出る怒りや悲しみをすぐさまアートという形にして銃規制を訴える行動力に感動した。 No. 9 『四畳半クロッシング』高村総二郎x山本雄教@ギャラリーマロニエ 日本画の新しい方向性を見せてもらえた展示だった。高村総二郎の実物大の四畳半作品を初めて間近に見られたのは収穫だった。コンクリート打ち放しのギャラリーの壁に掛けずに、あえて床に設置したのも面白い趣向だった。四畳半は「無限の宇宙に繋がる装置」という作品のコンセプトが、無機質なギャラリーの空間と響き合っていた。一円玉や米粒のミクロをマクロな世界観に広げる山本雄教の作品には、ロサンゼルスのアーティストのゆるいユーモアと非常に近しいものを感じる。両画家とも非常にコンセプチャルなので今後の作品にも注目したい。 No. 10 『ダリ展』@京都市美術館 & ”Salvador Dali Exhibit @ Two Rodeo Drive” 初期の作品は独創的で唯一無二であったが、金の亡者に成り下がった晩年は若かりし頃のアイデアにしがみついてエディションを乱発し、スキャンダルを引き起こしてすっかり晩節を汚してしまったダリ。京都市美術館の大規模回顧展では、シュルレアリスムの手法を確立する以前に、様々な絵画手法を試していた初期作品から、勉強熱心で新しいアートを吸収したいという実直な貪欲さが伝わってきたが、ロデオドライブで開催された彫刻展では、ギャラリーと結託していかに金儲けするかに情熱を傾けていて、同じダリでも情熱の方向性が対照的な展覧会であった。アートで名声を得ることの恐ろしさを自ら証明してみせた生涯だったのではないだろうか。
by azzurrotree
| 2016-12-31 19:19
| Best 5 of the Year!
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