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芦屋にあるセレクトショップ「月光百貨店」で、写真家でコラージュ作家の久保田昭宏の個展『箱の中の月 a moon in the box』を開催中。
展示は2部構成で、第1部は2017年11月23日〜29日までで、夜を表現した空間に、月や星など天体モチーフの作品を中心に展示。 展示作品は新旧織り交ぜたラインアップ。厳選されたベスト作品と、新作を並べることで作家のキャリアを総括する展示になっている。 筆者の独断と偏見でお気に入りの新作3作品をピックアップ! タイトルがまず素敵。シュルレアリスム絵画のような幻想的な写真に一目惚れ。タネを明かすと、卵型の大きな水晶は久保田氏の鉱石コレクションのひとつで、中に枯れ木か藻のように見えるのは包有物(inclusion)という、自然の造形の不思議を思わずにはいられない奇跡のような石。 水晶の中に浮遊するトランプを入れ、背景に小さく控えめに光る月と飛行船を配している。写真の「見る人を欺く」性質をうまく表していて、手品師は不在でも、作品そのものが奇術のようだ。 モチーフは多いがごちゃごちゃしていないのは、遠近感が出ているのと、手前のスペースを確保している計算し尽くされたレイアウトの妙がなせる業。古い雑誌の切り抜きをテーブルの平面に置くのではなく、ひとつずつ垂直に立てているので奥行き、立体感が出ている。 「コラージュ」「切り抜き」というと、切り抜いたモチーフをテーブルに置いて平面で写真を撮るイメージがあったが、久保田氏から「僕の作品は常に立体を意識して撮影しています」と答えが返ってきた。 例えば人物のぺらぺらの切り抜きは歪まないように立てかける、金魚の切り抜きは裏側を針金に貼り付けて宙を浮いているように見せるなど、簡単にデジタル加工できるところを、なるべくアナログな方法を用いて丁寧に撮影することで、見たことはないがレトロでどこか懐かしい風景にリアルな立体感を持たせている。 この作品の色使いは控えめだが、それでも青の色の出し方がいつも上手いなぁ、と感心してしまう。同じ青でも、夜の闇に光る青と、昼間の明るい空の青はやっぱり違うのだ。 久保田氏の写真で真っ先に思い浮かぶのは、深い青を効果的にきかせた作品だが、新作では全面に色を効かせた作品は少ない。作品が少しずつ変化あるいは進化を遂げ、より洗練されてきた印象を持った。 これは少し以前の作品だが、筆者はこんな神秘的な青がいっぱいに広がる作品も好きである。自分がどんなちっぽけな存在でも、またどんな状態であっても受け入れてくれる懐の深い、包容力のある色なのかな、と思う。 今回は小さなお店の一角が展示スペースなので、写真のサイズが小さいのは仕方ないとして(むしろ小さい写真のひとつひとつが小さな星のようで、本展示には望ましく好ましいサイズ)、将来的にギャラリーのような広いスペースで展示する際には、もう少し大判サイズの作品が見たい。 これまでのキャリアの軌跡を辿るアプローチで大規模展覧会をすることもあるだろうから、制作年も明記したいところ。 お店のこと: 稲垣足穂の短編を想起させる「月光百貨店」というお店の名前だけですでに心ときめくが、店内に一歩入るとそこはオーナーの星野時環さんの審美眼が発揮された小宇宙が広がる(ちなみに「永遠の少年」を思わせる風貌の星野くんは親切という次元を超えて、とってもsweet! )。 平たく言えば雑貨を販売しているのだが、月や星に関連する雑貨や書籍、アイテムすべてが厳選されていて、小さなオブジェ、あるいはアンティーク作品やアート作品のひとつひとつがまるで星座や小惑星のように絶妙なセンスで配置され、お店の世界観を構築している。 今回の久保田氏の作品と、お店の雰囲気があまりにもぴったりマッチしていて驚いた。 これまで何度か久保田氏の作品を本ブログで紹介しているが、 久保田昭宏展@ギャラリービブリオ 久保田昭宏展第2弾!@ギャラリービブリオ 実はお会いするのはかなり久しぶり(前回会ったのはいつだったか思い出せないくらい)。普段は東京に在住しているが週末だけ在廊すると聞き、京都の端っこの片田舎から芦屋までショートトリップを敢行した。思ったよりずっとお元気そうだったし、いろいろお話しできて、かなり充実した楽しいひと時を過ごせた。 第2部は2017年12月22日〜28日で、イメージとしては第1部の夜が明けて、明るい青空の雰囲気になるとのこと。 来月展示予定の作品を、久保田氏の許可をいただいて少しだけpreview! あれ、そこまで明るい雰囲気でもないけど……。来月の展示はどうなるのかな? 第2部展示の様子は来月ブログに紹介する予定。乞うご期待。
by azzurrotree
| 2017-11-29 04:20
| Photography/写真
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