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ジョン・ソルト詩集『生まれぬ者への詩』(Poems for the Unborn)、難産の末にようやく生まれました! (神聖にすら見えるクリーンな装幀にうっとり。白いテーブルの上に置くと、本自体が浮き上がっているように見える不思議!) 思潮社HPやアマゾンなどオンラインではすでに購入可能、書店にもそろそろ並び始めた頃かと。 本書は詩の同人誌guiに寄稿してきたソルトさんの詩30年の集成になる。 日本の媒体だが、主に英語で詩を発表してきた。これまで英語の詩集は出したことがあったが、日本語訳の詩集は本邦初出版!いきなり700ページもある大冊を上梓して、70歳にして待望の大型新人、爆誕!である(笑)。 (700ページの厚み!切手の日の丸の赤と、白い表紙を取ったハードカバーの赤をリンクさせている。ボルドーやマルーン色といった深みのある赤。紅白はおめでたいカラー!本を出版できてお祝い気分も盛り上がる) 筆者の翻訳と英語の原文を併記した日英バイリンガル仕様について、「(翻訳者として)勇気があるね」と言われたが、英語で読める人はぜひ原文で読んで欲しいという思いがある。 ソルトさんの非日常に緩やかに逸脱する奇妙で可笑しな詩は、日本の教科書で取り上げられるいわゆる「模範的な詩」の類とは性質を異にする。 翻訳するにあたり、詩人の意図に沿うよう創意工夫を凝らしたつもりだが、基本的に「翻訳は裏切り行為」だと思っている。英語の原文と翻訳を見比べながら言語の綱渡りを大いに楽しんで欲しい。 「英語の勉強になりそう」という感想もいただいたが、シュールで突拍子もない詩ばかりなので、英語を習得する手段として本書を手にすることは全くオススメできない(笑)。 原文の詩の突き抜けて風変わりなところを日本語に落とし込んだつもりなので、詩が苦手な人ほど手にとって読んでみて欲しい。 表紙の切手デザインはベイビーだった頃のソルトさんとお母様の白黒写真を元にしている。 (切手デザインは山口謙二郎。思いっきり欧米系母子なのに「壱銭」「JAPAN」の文字に、ソルトベイビーのビブは日の丸、と思わず笑ってしまう) ソルトさん作によるポストカードアートや写真作品を各章の扉に挿入したり、短い詩をランダムにレイアウトしたりと、ソルトさんの創造的かつ遊び心のあるアイデア満載の本になった。 (既存のポストカード、新聞や雑誌のテキスト切り抜き、切手の3つの要素を組み合わせることで、個々のモチーフが本来の文脈から変質を遂げ、新たな意味を再構築する。ソルトさんオリジナルのfound poetryとも言える) (ランダムなレイアウトの一例。長い詩もあるが、短詩が多いので余白が映えて面白い視覚効果が得られる) チープな作りにはしたくないというソルトさんの希望で、高級感漂うエレガントな仕上がりになっている。ソルトさんのリクエストすべてを形にすべく、忍耐強く作業に取り組んでくれたのはguiでもデザインを担当している羽毛田徹夫氏。 表紙は雪のように白く、神聖な佇まい。本文も余白が映えてクリーンな印象に仕上がった。 ソルトさん長年の友人であるロバート・キャンベル氏には、シルバーの帯に相応しい素晴らしい文章を寄せていただいた。 『北園克衛の詩と詩学――意味のタペストリーを細断(シュレッド)する』(思潮社、2010年)の時もそうだったが、思潮社はいつも期待を裏切らない美しい造本を作ってくれる。総編集長の高木真史氏にも感謝したい。 詩集出版に先駆けて現代詩手帖8月号で8ページにわたり、ソルトさんの詩作を紹介していただいた。面白い詩ばかりなので、こちらもぜひチェックしてみて欲しい。 本来ならソルトさんが来日して、ポエトリー・リーディング(詩の朗読会)を開いて盛大に出版祝いをするところだが、コロナ終息の兆しは一向に見えず……。安心して来日できるようになるのは何年後だろうか……。 ま、もう年内は詩集を片手に、家でひとり静かにお祝いしようと思う。 ブログbookbar5にて『生まれぬ者への詩』を丁寧に紹介していただいた。 チョコチップの詩を読んでいた時のおやつがチョコチップクッキーだったという楽しいハプニングに嬉しくなって、筆者もいそいそとチョコチップマフィンを焼いてみた。見事に焦げさらした(汗)。 現代詩手帖8月号のソルトさん特集も同じくbookbar5で取り上げていただき、本当にありがたい限りである。 7,800円+税なので、詩集にしてはお高くなってしまうが、来るクリスマスシーズンやヴァレンタインに、あるいは大切な人の誕生日、自分へのご褒美といった特別な機会に、一味も二味も違うプレゼントとして『生まれぬ者への詩』(Poems for the Unborn)、いかがでしょうか。 #
by azzurrotree
| 2020-10-04 22:28
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Comments(2)
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